★打楽器座談会
〜番外編〜
打楽器のいい音づくり

このセイビアンシンバル特集では、今年度の吹奏楽コンクール課題曲Tを作曲した “内藤淳一先生”にインタビューし、作曲家から見たシンバルについての考えや打楽器全般についてお聞きしました。プレイヤーの目線とは異なる興味深い内容ですので、ぜひご覧下さい!(全4回配信)

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本編インタビューが終わって・・・

「ブライアンの休日」のあのテーマの付点8分+16分の部分ですが、リズムとして難しいことに加えて、テンポも早いので、ものすごく集中力が必要ですよね。

そうなんです。それで、あの付点をどのように練習したらいいんですか、と私の学校の生徒からさえも聞かれるんです。

私もね、自分でトランペットを吹けるわけじゃないので、んーどうやってこれを伝えようかって悩んだんですけど、いろんな先生が言われていることですが、“タンタタンタ・・・”でいいんですけど、まずは口で言えるかどうかですね。
確かに、吹けない、っていう生徒にその付点8分、“ターンタターンタ・・・”って言葉で言ってもらうと、すでにその言ってる言葉自体のリズムが重たいんですよね。つまり付点の次の16分音符がちゃんとした場所に入ってこない、さらにいうと裏拍の“タンスタ”の
を感じていない。試しに生徒に「じゃあ、私におうむ返しで言ってみて」って、言ってもらうと、やはり重たいんですよね。
「口で言えないんじゃ、まだ楽器で吹けないよね」って言います。それで、まず口で“タンスタ・タンスタ”って裏拍を“ス”って言わせてっていう、16分音符の場所をちゃんと意識するためにこの練習を今、まさにしてもらっているところですね。

ところで「ブライアンの休日」のこの部分では、トランペットにクラリネットを8分音符で重ねてあるんですけど、あれは基本的にトランペットの付点8分音符も、クラリネットの8分音符も、同じ息抜けが、トンッていう、音の余韻を付けた音っていうんでしょうか、そのトンッという音が出せているのかどうか?、その付点8分側に結構問題があるかなと思います。だからトランペットの人もまずは付点8分の後の16分音符を取ってしまって、“トンットンットンットンットンットトン”ってやってみて、それで気持ち良く運んでいけるようならば、あとは16分音符を入れるだけとなります。

その次のステップとしては、その16分音符が正確に入っても、付点8分が真っ平らな音で吹かれてしまっていると、いくら16分が正確に入ったとしても、たぶん重たいので、そこは丹念に聞いて診断して、処方箋を出してっていうように、お医者さんみたいに、そうやって直していくしかないって思います。これはこういう練習をしたらいい、って紙には書けるかもしれないですけど、それをその場で見て、判断する先生なり先輩が絶対必要なので、簡単に直ることでないかなと思いますね。

あと、打楽器に関していうと、スネアドラムとか太鼓叩く人の腕の動きっていうのは、まさに息の形と共通しているので、指揮法と一緒ですけど、加速と減速をうまく腕の動きに入れられることが理想です。バスドラムで4分音符でトン、トン、トンと叩くにしても本当に経験の浅い中学生ぐらいだと、トントントンと、音を聞くまでも無く、腕の動き見てるだけで、ああ重たい音出してるだろうなってすぐわかっちゃうんですよね。やっぱりいい音出してるパーカッショニストっていうのは型に表れているので、そういう意味では、形から入ったらいいんじゃないって言うんですけどね。いい音さえ出してれば格好、型はどうでもいいっていうのはちょっと違う、って思うこともあります。いい音を出すためには型が良いかたちになるはずだと思います。

同じようなことで、クラリネットの人が無表情で吹いていると音にも表情がないんですね。「身体動かさないでよく表情付けられるね、(実際には付いてないんですけど)。もう少し自然に身体って動かないの?」っていうと、生徒はええっって困った顔をします。身体を動かせば表情が付くわけではないんですけど、もっと自分の中に感じるものがあれば、自然に身体は少し、揺れるはずだよって、言って。本当にパーカッションで音楽的な人は、もう身体全体で表現していて、音を聴かないでも画を見てるだけで、叩いている顔つきさえ、すごくいい表情してますものね。




[ 内藤淳一氏 ]
静岡県出身。宮城教育大学音楽科(作曲専攻)を卒業し、宮城県公立学校の教諭となる。現在宮城県古川黎明中・高等学校に勤務。中高両校の吹奏楽部とコーラス部を指導し、中学校コーラス部の声楽アンサンブルコンテスト全国大会出場や高校の全日本吹奏楽コンクール、全日本合唱コンクールでの東北支部大会出場などの指導実績を残している。また(社)日本作曲科協議会、日本吹奏楽指導者協会、宮城県芸術協会、20世紀の吹奏楽“響宴”などの各会員を務め、作曲分野では3度の朝日作曲賞(吹奏楽)、東北吹奏楽連盟表彰、宮城県芸術選奨新人賞など数々の賞を受けている。

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仙台フィルハーモニー管弦楽団・打楽器奏者